COLUMN 採用お役立ちコラム

2024.12.05

Q&A

「ゆるブラック企業は嫌われると聞きましたが本当ですか?」採用Q&Aシリーズ

人材採用を担当するときに感じるちょっとした疑問。誰かにちょっとだけ聞きたい質問に一問一答でお答えしていくのが【採用Q&A】シリーズです。
今回のご質問は「ゆるブラック企業は嫌われると聞きましたが本当ですか?」です。

Q:「ゆるブラック企業は嫌われると聞きましたが本当ですか?」

A:仕事がゆるい=成長できない会社が避けられています。

仕事がキツい、残業や休日出勤が多い、残業代が出ないといった法律上アウトな会社を指す「ブラック企業」という言葉はかなり定着しています。この言葉は2012年ごろからメディアで頻繁に使われるようになったそうです。求人を探すときも、その会社が「ブラック企業」かどうか気にする求職者が多く、「ブラック企業」に特徴的なキーワードを見分けるための情報などもSNSなどに流布しています。

一方で、仕事の負荷が少なく定時で帰れる会社が「ゆるブラック企業」と呼ばれ、特に若手人材から避けられるようになっています。
一見すると「仕事が楽で残業も無いのならいいじゃないか」と思われるかもしれません。しかし、なぜ若手が「楽な会社を避ける」のかを見ていくと、実は「経験を積めない」「転職の際に職歴やスキルにならない」仕事を避けていることがわかります。
「ゆるブラック企業」について現役の会社員にヒアリング調査した結果では、自分が今働いている会社が「ゆるブラック」だと感じる人のうち、8割以上が「1年以内に転職を検討している」と回答しています。
また、どういうところが「ゆるブラック」と感じるか聞いた回答では
・給料が上がらない
・評価されない
・やりがいがない
・スキルが身につかない
・周りにやる気のある人が少ない
といった回答が目立ちます。

なぜこういったことが起きるかというと、要因が二つあります。

一つは、企業側が「ブラック企業」といわれることを恐れて、特に若手新入社員に残業をさせない、負荷の高い仕事をさせないといった配慮をしていることがあります。企業側からすると善意なのですが、やる気がある新入社員からすると意欲が削がれる気分になるのも仕方ないかもしれません。

もう一つは、若手人材の転職志向です。
2024年入社の若手社員を対象に東京商工会議所が行った調査では、就職先の会社でいつまで働きたいか聞いた質問に「チャンスがあれば転職」と答えた人が26.4%となりました。これは10年前の2倍以上で、定年まで働きたい(21.1%)よりも多くなっています。
出典:2024年度新入社員意識調査集計結果(東京商工会議所)
https://www.tokyo-cci.or.jp/file.jsp?id=1202816

コロナ禍やウクライナ戦争など世界的な変化を経験してきたことから、今の若手人材は非常に安定・安心を求める傾向が強くなっています。一つの会社で長く勤めることが難しいという前提で、自分のキャリアを安定させるために「早く手に職をつけたい」と思っています。
そのため、「スキルや経験を身につけられない」企業=ゆるブラック企業を避ける、という行動をとるようになっています。

離職防止のためにも、また採用コンテンツとしての表現上でも、「ゆるブラック企業」と思われることは避けるようにしましょう。

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