COLUMN 採用お役立ちコラム

2022.12.19

採用市況感レポート2022年10月(厚生労働省調査データから)

皆さんこんにちは。アマチュアセックスビデオアナリストチームです。
2022年10月分の一般職業紹介状況が2022年11月29日に、毎月勤労統計調査(速報)が2022年12月6日に公表されました。こちらに基づいて2022年10月分の採用市況感レポートをお届けします。

■有効求人倍率、新規求人数及び新規求職申込件数の動き(2022年11月29日データ)

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(厚生労働省 一般職業紹介状況(職業安定業務統計)より)

2022年10月の有効求人倍率は1.35と、前月から0.01ポイント増という結果となりました。これで2021年11月から一度も倍率がマイナスに転じることなく、1年を通じて右肩上がりという状況となりました。

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(厚生労働省 一般職業紹介状況(職業安定業務統計)より)

改めてコロナ禍前の2018年7月からの有効求人倍率がどのように推移しているか、確認してみると見事なまでに2020年の倍率が年間通じて停滞していたことを知ることができます。現在の1.35倍にいたっては、緊急事態宣言が発出された2020年3月の数値を超えています。今もなお新型コロナウィルスの陽性者の確認数は増減を繰り返している状況でありますが、日本政府も行動制限を要請しないなどの「ウィズコロナ政策」を継続することで、採用市況に対するコロナ禍の影響はより小さくなっていくと思われます。年明け早々には「2020年3月の1.57倍まで戻るのでは」という予測のほか、2023年中には2018年8月に記録した1.64倍に肉薄するのではないかという見立てもあります。

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(厚生労働省 一般職業紹介状況(職業安定業務統計)より)

企業が新たな人材を求めて採用活動を行う新規求人数推移(季節調整値)は、パート求人を含む全体を見ると11,831件の増加となり、倍率にして2.33倍と前月を0.06ポイントも上わっています。正社員の有効求人倍率は1.03倍となり、前月と同じ水準となっています。10月は下半期のはじまりでもあり、年末にかけて企業の採用活動も増えていく傾向にあります。その点を踏まえても、例年通りの推移であることが考えられます。
産業別の傾向を見ると、宿泊業と飲食サービス業が29.3%増と最も高く、次いで卸売業、小売業が11.7%増、生活関連サービス業(他に分類されないもの)と娯楽業が11.3%増となりました。逆に教育、学習支援業が1.9%減、建設業が0.7%減という結果となっています。

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(厚生労働省 一般職業紹介状況(職業安定業務統計)より)

ハローワークへ新しい仕事を求めて求職登録した人数を示す、新規求職申込件数推移(季節調整値)では、10月は前月よりも4,381件の微減となりました。パート求人が横ばいに対して、正社員求人の減少が全体の推移に影響を与えました。2022年度に入ってからの求職者の数は増減を繰り返していますが、対前年同月では7.9%増となっており、人の動きは少しずつ増えている傾向にあるという見方もあります。

2022年10月は新規求人案件数が増加しているものの求職者の数が減少しており、採用市場は多少活発ではあるものの有効求人倍率は微増という結果となっています。前年と比較して求職者の増加が見られるものの、全体を見ると相変わらず求人件数が求職者数を上回る売り手市場の進行しており、人材不足感が徐々に強まっているようにも見受けられます。これまでの求人が消化できていない状況を解消するためにも、今後はより「攻めの採用」に向けて競合の一歩先をいく打ち手を講じていく必要があるでしょう。

■毎月勤労統計調査速報2022年10月(2022年12月6日データ)

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(厚生労働省 毎月勤労統計調査より)

毎月勤労統計速報の概況によりますと現金給与総額は275,888円で、前年同月より1.8%の増加となりました。そのうち一般労働者が357,332円(1.9%増)、パートタイム労働者が99,556円(1.5%増)。パートタイム労働者比率は、31.64%(0.05ポイント増)という結果となっています。所定内給与については一般労働者が321,146円(1.5%増)で、パートタイム労働者の時間当たり給与は1,245円(1.3%増)となっています。
共通事業所による現金給与総額は1.5%増で、そのうち一般労働者が1.8%増、パートタイム労働者が0.7%に増加。所定外労働時間は10.4時間と前月より5.9%も拡大しています。
しかし、消費者物価指数の上昇率(※)は3.7%となり、現金給与総額が1.5%も増えたとしても双方の乖離が広がり、インフレがより加速するという深刻な状況になりつつあります。基本給を上げることは難しくとも、インフレ対策手当などを導入する企業が増えているように、一時的にも何かしらの対策を講じることで離職を防ぐことも必要かもしれません。

※消費者物価指数10月分

https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html

労働異動においてはこれまで同様、飲食サービス業が8.5%増と大きな伸びを見せており、ついで不動産・物品賃貸業が3.1%増、医療・福祉が2.6%増、建設業が2.1%増と続きます。逆に総合サービス事業が6.7%減という結果となっています。

■トピックス

ここ最近の社会問題の一つに、一向に収まる気配のない物価の上場に対し、なかなか賃金の増加率が追いつかないという「加速するインフレ」が挙げられます。この状況を生み出している背景には何があるのか、いくつかの問題点を指摘する記事を紹介しながら、これからの採用活動にどのような対策を講じればいいかを考えていきたいと思います。

実質賃金7カ月連続減 10月2.6%減、7年4カ月ぶり下落幅

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA051YN0V01C22A2000000/

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2022年10月の一人当たりの賃金は物価変動を考慮すると、実質で対前年同月の2.6%減少となったとの報告が行われました。減少は7ヶ月連続となり、マイナス幅は2015年6月の2.8%以来7年4ヶ月ぶりという結果でした。
当レポートでも指摘していますように、「資源高や円安」に伴う物価上昇に対し、名目賃金の上昇率が追いつかないことで実質賃金が著しく下降していることが紹介されています。

Job総研による『2022年 収入と支出の実態調査』を実施 9割が物価高に支出増 収入増えても生活逼迫4割の現実

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000126.000013597.html

634名の社会人男女を対象に、2022年の収入と支出の実態調査を行ったところ、6割の人が『収入の方が多い』と回答する一方、『収入と支出が同じくらい』が2割、『支出の方が多い』が2割という回答結果が出ました。まだ半数以上は可処分所得に多少の余裕があるとしても、4割の人がギリギリの生活を送っていることが明らかになりました。しかも7割が『支出が増えた』と回答したのに対し、『年収が上がった』と回答したのは5割弱と止まり、生活逼迫に物価高騰が大きな影響を与えていることが窺えます。

なぜ、実質賃金はマイナスなのか? ~円安では豊かになりにくい~

https://www.dlri.co.jp/report/macro/211163.html

実質賃金が下がることに対し、いかに円安が大きな影響を与えているかを解説しています。例として円安になって輸出数量の伸びが鈍化すれば、円安による賃上げの作用も大きなタイムラグが発生し、実質賃金が上がるのもはるか先となるという仕組みがあると紹介しています。その上で日本企業は不況となっても雇用を守り、所得内給与も維持するのに、景気が改善してもすぐに賃金を上げない傾向があると指摘。その硬直化の理由として、リスク回避型の賃金支払いがあるとも紹介しています。

【企業別年収マップで見る】誰が日本人の賃金アップを邪魔しているのか?

https://diamond.jp/articles/-/313583

独立系ニュースサイト・MyNewsJapanの編集長である渡邊正裕氏自らが20年以上にわたって働く日本の生活者の生の声を取材し、内容をまとめた職場選びのガイドブック「『いい会社』はどこにある?」を紹介。業績が拡大中で社員への報酬額も高く、雇用も比較的安定している新興企業ではこれまでの日本企業が行ってきた新卒中心の雇用と一線を画し、ジョブ型雇用の成果主義の徹底化などによって30代で800万円の年収を実現する中途採用を推進。それによって多くの人材がその企業に吸い込まれていくことにより、自動的な人材の流動化と収入環境の改善も期待できることを指摘しています。

■まとめ

資源高や円安によって企業の利益が圧迫されていけば、業績が好調であっても従業員への賃金アップも簡単にはいかない…それは「悪いインフレ」と呼ばれる現状がより顕在化することとなり、能力の高い人材がより条件のいい企業へ転職したいという転職意向が高まっていくことにつながっていくはずです。
これを逆に解釈すれば、これまでなかなか採用にいたらなかったスキルを有する人材には、給与などの条件次第で採用できる可能性が出てきたとも考えられます。職種ごとの給与相場などを考慮しながら、より専門性の高い経験者採用を強化するチャンスと捉え、競合に先駆けた採用活動を行うことが成功への第一歩となるでしょう。
より効果的な採用活動を行いたい場合は、専門家である天職市場へ一度ご相談ください。一緒にこれからのことを考え、対策を講じていくプロが皆さんの成功を後押しいたします。

また、求人表現の見直しなど採用にかかわる様々なセミナーを開催していますので、ぜひ一度ご参加ください。

https://www.1049.cc/seminar/

※採用市況感レポートは、統計数値をもとに分析した内容を月一回お届けします。